種子島の森林は約25,300haで、島の約56%を占めています。
種子島のほぼ中央に位置する木成保護林は、まとまった森林面積と
してはもっとも広い国有林の中にあり、種子島の森のさまざまな特徴
を見ることができます。
自然の森林が発達していくと、自生する樹木の種類が長く変化せず、
環境に適した樹木が自然更新しつづける「極相林」になります。
極相林は、陽が当たらない陰の中でも育つ「陰樹」が形成して
います。陰樹の若木は弱い光でも光合成を行いますが、ある程度の
樹高になるとむしろ強い光で生長がさかんになります。
こうして長い年月をかけて、日陰では生長が鈍い陽樹との植生間
競争に陰樹が勝ち残り、最終的に極相林に移行していきます。
種子島の極相林は、おもにマテ、カシ、タブ、クスなどの樹木で構成
されています。
木成保護林に入る山道の入り口付近は、マテ、カシ、タブなどの
比較的高い樹木の森になっており、種子島の極相林の特徴を
見ることができます。
森の周辺部を構成する植生を指します。樹木の幹などに日光が
直接当たり日焼けすることを避けるために、主につる科植物が
低木を広く覆っています。
木成保護林への林道沿いには、このようなマント群落を見ることが
できます。
●高木層・・・イタジイ、マテバシイ、タブノキ
●亜高木層・・・ヒサカキ、ヒメユズリハ、ホソバタブ、
タイミンタチバナ
●低木層・・・イズセンリョウ、センリョウ、ヒメアリドウシ、シシアチク
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