丸木舟の起源は縄文時代にまでさかのぼります。
おそらく、その頃から漁業はもちろんのこと、沿岸の海上交通や
島々の行き来にも大いに活躍していたことでしょう。
古来よりヤクタネゴヨウは丸木舟に最適な材として大切にされて
きました。
江戸時代には重要な樹種として、しっかりとした保護・管理体制の
もとにおかれていました。
明治以降も多く島民に利用され、1918年(大正7年)に455隻、
1945年(昭和20年)にも244隻が利用されていたと記録にあります。
丸木舟を作るには少なくとも直径90cm、長さ6mが必要です。
ヤクタネゴヨウは成長が早くまっすぐにのびて大径木になります。
材は軟らかく加工が容易で樹脂が多く、管理さえよければ100年の
使用に耐えたといわれています。
1982年(昭和57年)種子島で最後の作られた丸木舟は、直径1.5m、
樹怜177年のヤクタネゴヨウの材を舟大工4名にて製作。
材木の入手、伐採、運搬、製作過程、舟おろし進水式までの
全工程は記録され、舟は現在 中種子町歴史民俗資料館に
展示されています。
|